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本リリースノートは、Red Hat Enterprise Linux 6.3 で実装された改良点と追加項目に関し広範囲に渡って説明しています。6.3 の更新に関する Red Hat Enterprise Linux に加わったすべての変更の詳細については、テクニカルノート (Technical Notes) を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux のマイナーリリースは、個々の拡張機能、セキュリティ、バグ修正エラータの集成です。Red Hat Enterprise Linux 6.3 のリリースノートには、このマイナーリリースに関して Red Hat Enterprise Linux 6 オペレーティングシステムと付随するアプリケーションに行われた主要な変更が記載されています。このマイナーリリースに関するすべての変更 (修正済みのバグ、追加された拡張、及び発見された既知の問題点) の詳細については、テクニカルノート を参照してください。テクニカルノート (Technical Notes) の記事には、現在利用可能な全ての技術プレビューとそれを提供するパッケージの完全一覧が含まれています。
重要
オンライン版の Red Hat Enterprise Linux 6.3 Release Notes はオンラインサイト、こちらでご覧になれる最終的な最新バージョンとなっています。このリリースに関してご質問をお持ちのお客様は、ご使用の Red Hat Enterprise Linux のバージョンについてオンラインの リリース 及び テクニカルノート を閲覧されることをお薦めします。
Red Hat Enterprise Linux 6.3 は、/proc/<PID>/ ディレクトリへのアクセスを制限するためのマウントオプションへのサポートを追加しています。新しいオプションの1つは hidepid= と呼ばれるもので、その値は所有者以外に提供されるプロセス情報の量を定義します。gid= オプションは、全てのプロセスの情報を収集するグループを定義します。全システム内でタスクを監視する許可のない信頼できないユーザーは、このグループに追加すべきではありません。
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、CONFIG_STRICT_DEVMEM の設定オプションが PowerPC アーキテクチャ用にデフォルトで有効になっています。このオプションは /dev/mem デバイスへのアクセスを制限するためのものです。このオプションが無効になっている場合は、カーネルとユーザースペースメモリーを含む全てのメモリーへのユーザースペースアクセスが許可されて、メモリーへの不注意な (書き込み) アクセスは改竄の危険性を孕んでいます。
有効になっている CONFIG_HPET_MMAP
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、HPET レジスターをユーザープロセスのメモリーに再マップする高解像度タイマーの機能が有効になっています。
大規模システム上でのパフォーマンスの向上
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、数多くのパッチが適用されて、極めて大規模なシステム上での全体的パフォーマンスの向上とブートタイムの低減を実現しています (パッチは 2048 のコア及び 16 TB のメモリーを持つシステム上でテスト)。
rdrand カーネルのサポート
Intel Core i5 及び i7 のプロセッサー (過去のコード名 Ivy Bridge) は、素早くランダムな数字を生成するための新しい rdrand インストラクションをサポートします。Red Hat Enterprise Linux 6.3 で配布されるカーネルはこのインストラクションを使用して、迅速なランダム数の生成を提供します。
CPU ファミリ特定のコンテナーファイルへのサポートが追加されています。AMD ファミリ 15h プロセッサから始まる、microcode_amd_fam15h.bin などのコンテナーは今回、上述のプロセッサファミリの為にロードされています。
USB 3.0 サポート
Red Hat Enterprise Linux 6.3 には、全面的な USB 3.0 へのサポートが組み込まれています。
IBM System z 対応の kdump/kexec カーネルダンピングメカニズム
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、 IBM System z の独立タイプとハイパーバイザーのダンピングメカニズムに加えて、kdump/kexec カーネルダンピングのメカニズムが IBM System z システム用に有効になっています。自動確保の閾値は、4 GB にセットしてあるため、4 GB 以上のメモリーを持つ IBM System z システムにはいずれも kexec/kdump メカニズムを有効にしてあります。
kdump はデフォルトで約 128 MB を確保しますので、十分なメモリーが利用可能でなければなりません。これは、Red Hat Enterprise Linux 6.3 にアップグレードする際に特に重要になります。また、システムクラッシュのケースでダンプを格納するために十分なディスク領域も利用可能でなければなりません。SCSI ディスク上で kdump がサポートされるまでは、ダンプデバイスとしての Kdump は DASD か QETH のネットワークに限定されます。
Red Hat Enterprise Linux 6.3 は、ネットワーク優先度 (net_prio) のリソースコントローラーを導入しています。これは様々な cgroup 内でアプリケーション用の各ネットワークインターフェイス毎にネットワークトラフィックの優先度を動的にセットする方法を提供します。詳細については、リソース管理ガイド (Resource Management Guide) を参照して下さい。
KVM 内の新しい CPU モデル定義により、KVM ホスト及び仮想化ゲストに必要な新規プロセッサの有効化が提供されます。これにより、 KVM 仮想化は新規プロセッサに関連したパフォーマンス向上を獲得し、最新 CPU 内の新しいインストラクションを最大に活用することが確実になります。
KVM 「Steal Time」 のサポート
Steal time (スチールタイム) とは、ハイパーバイザーが別の仮想プロセッサを担当している間に、仮想 CPU が実 CPU を待つ時間のことです。KVM の仮想化マシンは今回、ゲストに正確な CPU 運用データを提供する top と vmstat のようなツールを介して可視化されるスチールタイムを算出して報告できます。
KVM のスチールタイム機能は、CPU 運用と仮想化マシンのパフォーマンスに関してゲストに正確なデータを提供します。大幅なスチールタイムは、仮想マシンのパフォーマンスが、ハイパーバイザーでゲストに割り当てられた CPU タイムによって縮小されていることを示します。ユーザーは、ホスト上でゲスト数を低減するか、又はゲストの CPU 優先度を増加することにより、CPU 闘争から出るパフォーマンス問題を軽減することができます。KVM スチールタイムの値は、ユーザーに対してアプリケーションのランタイムパフォーマンスの改善で次のステップへ進む為のデータを提供します。
qcow2 ディスクイメージへのアクセス改善
Red Hat Enterprise Linux 6.3 の KVM は より非同期にして、ディスク I/O の間に vCPU 停止を回避して全体のパフォーマンスを強化することにより、qcow2 ディスクイメージ (qcow2 はデフォルトの形式) へのアクセスを改善しています。
新しい qemu-guest-agent サブパッケージ
qemu-kvm には、qemu-guest-agent と呼ばれる新しいサブパッケージがあります。このパッケージをインスト-ルした Red Hat Enterprise Linux 6.3 ゲストを実行している時、適切に設定された Red Hat Enterprise Linux 6.3 ホストは以下のようなコマンドをゲストに送信することができます: guest-sync、guest-ping、guest-info、guest-shutdown、及び guest-suspend-*。
この機能は Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、技術プレビューであり、デフォルトで無効になっています。有効にするには、デフォルトの /usr/share/seabios/bios.bin ファイルの代わりに、 VM bios で /usr/share/seabios/bios-pm.bin を選択します。
ネイティブの (基礎設定の) in-guest S4 (ディスクへのサスペンド) と S3 (RAM へのサスペンド) 電源管理機能はゲスト内 (ホストではなく) で、ディスクへのサスペンドと RAM 機能へのサスペンドを実行する能力をサポートします。これが簡単なキーボードへの入力に反応することによりゲストを復元するのに必要な時間を短縮します。これはまた、外部のメモリ状態ファイルの維持の必要性を排除します。この機能は、Red Hat Enterprise Linux 6.3 ゲスト上で、そして S3 と S4 のサポートをできるハイパーバイザー上で稼働している Windows 上でサポートされています。
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、libvirt の更新により、最新の Intel Core i3、i5、i7 とその他の Intel プロセッサ、及び AMD のファミリ 15h マイクロアーキテクチャプロセッサに対するサポートが追加されています。この更新によって、libvirt は今回、それらのプロセッサが持つ新しい機能を利用します。
第8章 クラスタリングと高可用性
管理 UI の機能拡張
クラスタを設定するための Web ベースの管理 UI である Luci は、以下の機能を含んで更新されました:
クラスター化したサービスの削除時には、ダイアログボックスが表示されます。
UI には、改良された再開始アイコンが含まれています。
Add a child resource (子リソースの追加) ボタンが簡略化されています。
UI からデバッギングを有効にするオプションが追加されています。
静止中 luci 認証セッションの自動タイムアウト
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、luci の認証セッションは、15 分以上動作がないと自動的にタイムアウトになります。この期間は、/etc/sysconfig/luci ファイル内で who.auth_tkt_timeout パラメータを修正することにより、設定することができます。
新しい libqb パッケージ
libqb パッケージは、ハイパフォーマンスクライアントサーバーの再利用可能な機能の提供を主な目的とするライブラリを装備しています。これらの機能としてハイパフォーマンスロギング、トレーシング、プロセス相互の通信、ポーリングなどがあります。このパッケージは pacemaker パッケージの依存関係として導入されており、Red Hat Enterprise Linux 6.3 では技術プレビューと見なされます。
Rgmanager には、ノード間ロッキング用に Corosync の Closed Process Group (CPG) API の使用を有効にする機能が含まれています。この機能は Corosync の Redundant Ring Protocol (RRP) 機能が有効になると自動的に有効になります。Corosync の RRP 機能は全面的サポートの対象と考慮されていますが、他の高可用性アドオンと併用する時には、これは技術プレビューと見なされます。
第9章 ストレージ
(非クラスター化) シンプロビジョン型スナップショット用 LVM サポート
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、LVM copy-on-write (cow) スナップショットの新しい実装が技術プレビューとして利用できます。この実装の主な利便性は、以前のスナップショットの実装に比較すると、同じデータボリューム上に多くの仮想デバイスが格納できることです。この実装はまた、再帰的スナップショット(スナップショットのスナップショットのそのまたスナップショットなど) の任意の深さに対してのサポートも提供します。
詳細情報については、lvcreate man ページ内の -s/--snapshot オプションに関するドキュメントを参照して下さい。
(非クラスター化) シンプロビジョン型 LV 用 LVM サポート
論理ボリューム (LV) は今回、空き領域のストレージプールを管理するためにシンプロビジョン (thin-provision) を使用して、アプリケーションで必要な時に任意の数のデバイスを割り当てることができます。これを使用すると、アプリケーションが実際に LV に書き込んだ時に追加割り当て用にシンプロビジョンへ結合するデバイスの作成が可能になります。シンプロビジョンのプールは、ストレージスペースにコスト効率の良い割り当てが必要な場合に動的に拡張できます。Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、この機能は技術プレビューとして導入されています。この機能を試すには、device-mapper-persistent-data パッケージをインスト-ルしている必要があります。詳細情報については、lvcreate man ページを参照して下さい。
Red Hat Enterprise Linux 6.3 では、この機能は技術プレビューとして提供されているものであり、デフォルトでは無効になっています。有効にするには、/etc/lvm/lvm.conf ファイル内の use_lvmetad パラメータを参照して、lvm2-lvmetad init スクリプトを設定することにより lvmetad デーモンを有効にします。
FCoE (ファイバーチャネルオーバーイーサネット) ターゲットモードに対する全面的サポート
Red Hat Enterprise Linux 6.3 には、FCoE (Fiber Channel over Ethernet) ターゲットモードに対する全面的サポートが含まれています。このカーネル機能は、fcoe-target-utils パッケージで供給される targetcli ユーティリティを介して設定できます。FCoE は Data Center Bridging (DCB) をサポートするネットワーク上で使用するように設計されています。更なる詳細情報については、dcbtool(8) と targetcli(8) の man ページ (それぞれ、lldpad と fcoe-target-utils のパッケージで提供) をご覧下さい。
LVM RAID に対する全面的サポート
LVM 内の拡張された RAID サポートは今回、Red Hat Enterprise Linux 6.3 で全面的にサポートされています。LVM は現在 RAID 4/5/6 の論理ボリュームの作成能力をもっており、これらの論理ボリュームでのミラーリングをサポートします。MD (ソフトウェア RAID) モジュールはこれらの新しい機能のバックエンドサポートを提供します。
Red Hat Enterprise Linux 6.3 には、ランタイムユーティリティとソフトウェアコレクションのパッケージングの為のパッケージングマクロを提供する scl-utils パッケージが収納されています。ソフトウェアコレクションを使用すると、ユーザーは同一 RPM パッケージの複数バージョンを同時にシステム上にインスト-ルできるようになります。scl ユーティリティの使用により、ユーザーは /opt ディレクトリにインスト-ルされている RPM の特定のバージョンを有効にすることも可能です。ソフトウェアコレクションの詳細情報については、Software Collections Guide (ソフトウェアコレクションガイド) を参照して下さい。
MySQL InnoDB プラグイン
Red Hat Enterprise Linux 6.3 は、AMD64 と Intel 64 のアーキテクチャ用に MySQL InnoDB ストレージエンジンをプラグインとして装備しています。このプラグインは、組み込み型の InnoDB ストレージエンジンに比較して追加の機能とより良いパフォーマンスを提供します。
OpenJDK 7
Red Hat Enterprise Linux 6.3 は、OpenJDK 7 を技術プレビューとして導入しています。これは完全サポートの OpenJDK 6 の代用となります。
新しい Java 7 パッケージ
java-1.7.0-oracle と java-1.7.0-ibm のパッケージが今回、Red Hat Enterprise Linux 6.3 で利用できます。